障害は子供に遺伝してしまうの?障害と遺伝性について
2018.4.3
身内に障害者がいると、結婚して子供が生まれたら遺伝してしまうのでは?と不安な気持ちになります。
子供に遺伝したの?知的障害ってどんな障害?身内に障害者がいて子供にも遺伝するか心配しながら出産した女性の意見とは?
障害と遺伝学的要因について調べてみました。
この記事の目次
子供に遺伝したの?知的障害ってどんな障害?
障害と言っても様々ですが、知的障害もその一つ。
知的障害は、軽度知的障害、中等度知的障害、重度知的障害、最重度知的障害の4つに分かれます。
軽度知的障害は、知的障害のうち大体85%を占めており、小学校に上がるまで気付かれにくいのが特徴です。
成人後は、適切な支援を受けて生活しますが、結婚して家庭を持つことや仕事に就くことも可能です。原因は特定できないことがほとんどです。
中等度知的障害は、知的障害のうち大体10%を占めており、言語発達や運動発達に遅れが見られます。学力は最終的に小学校2~3年程度ですが、言語を取得しコミュニケーションは充分とれるようになります。成人期は社会的・職業的支援が必要になります。ほとんどの場合、障害の原因についての見極めもできます。
重度知的障害は、知的障害のうち大体4%。知能は3~6歳程度までの発達になります。簡単な会話は可能で、訓練次第では自分のもの周りのこともできるようになります。成人期は常に保護や監督が必要で、ほぼ、器質的病因があるとされています。
最重度知的障害は、知的障害のうち大体1~2%。知能は3歳未満に相当します。喜怒哀楽の表現は可能ですが、言葉によるコミュニケーションは難しく、他の身体障碍を伴うことが多いため、常に援助が必要です。
身内に障害者がいて子供にも遺伝するか心配しながら出産した女性
主人の弟に知的障害あるのは知っていましたが、出産時の事故が原因だと聞いていたので遺伝による障害の有無について心配していませんでした。
とはいっても、私の両親はやはり心配して結婚を大反対しましたが、私の熱意に負けて許してもらい結婚しました。
結婚2年目には女の子を出産、そしてその半年後に男の子を身ごもりました。障害は男の子の方が出やすいと聞いてはいたので、出産後男の子だと聞いて不安になったこと、今でも忘れられません。元気な産声を聞いても安心できませんでした。
その後2歳を過ぎても言葉を発せず、その他にもいろいろ気になった点があったので病院へ行き検査を受けました。半年後の結果は「自閉症」でした。
遺伝かどうかはわかりませんが、結婚を反対した両親、特に母親からは責められました。障害があっても可愛がってはくれるけど、息子が何か問題行動を起こすと両親の顔はすぐに曇ります。それを見ると私も辛くなってしまうのです。
知的障害を伴う人と結婚する場合は子供への遺伝も考慮すべき?
生まれてくる子供に知的障害があるかどうか、それを断言することはできませんが、遺伝性の知的障害の場合は、生まれてくる子供にもリスクが伴ってしまう可能性があるということを理解することが大切です。
知的障害ではない場合の結婚と出産では何が違って、どんな注意が必要なのかを知っておくべきです。
知的障害といってもその度合いや症状は人それぞれです。最初は違和感を感じなくても、一緒に暮らしてみて初めて見えてくることも多いでしょう。日常生活で欠落してしまう行動も少なくないので、結婚する前に一緒に生活してみるのも方法の一つです。
生まれてくる子に遺伝するかどうかは、あくまでも可能性があるだけで絶対ではありません。気にし過ぎてしまうと、結婚自体なくなってしまうことになりかねません。
子供へ知的障害のリスクも理解した上で、2人でじっくり話し合うことが大切です。
知的障害は遺伝学的な要因もあればそうでない場合もある
どうして知的障害を持って生まれてきてしまうのか、出産前に知る方法はないのかと思うのは当然です。
知的障害の原因には、遺伝学的なものもあれば、妊娠前や妊娠時に起こる場合もありますし、妊娠中や分娩中、出産後に起こることもあります。一般的な要因として多いのが、脳の成長と発達が何らかの原因によって障害を受けることです。特定できると未然に防ぐこともできますが、残念ながらほとんどは特定できません。
知的障害の小児の中には、出産直後に明らかな異常を伴う場合もありますが、その場合身体的異常などがほとんどなので、顔貌や頭の大小、手足の異常などの形の現れによるものです。
外見上は正常でも、けいれんや嘔吐、尿の異常や発育不良など、健康上問題がある場合もあります。重度知的障害のある小児の場合は運動能力の遅れがみられるため、寝返りやお座り、立つなどの動作ができるまでに遅い傾向があるとされています。
障害は兄弟でも遺伝するもの?
兄弟で知的障害があるという例も少なからずあります。
親からの遺伝である可能性があり、正式な診断を受けていなくても、親自身も知的障害のボーダーだったり、軽度知的障害であることはあります。
そういった親の場合、日常生活の自立は一応できていたとはしても、何かしらの困難を抱えていることが考えらえます。
遺伝学的要素が強いとはいえ、必ずしもそうとは限らないのが実情です。兄弟で知的障害がある場合もあれば、上の子が知的障害でも下の子は健常児、上の子は健常児だけど下の子が知的障害といったケースもたくさんあります。
身内に知的障害者がいると、結婚や出産に迷いが生じることもあると思いますが、必ず障害児が生まれるわけでもないですし、健常児が生まれる可能性も十分あるのです。
身内に障害者がいなくても知的障害者が生まれることもあります。
それでも遺伝が心配なのであれば、遺伝カウンセリングを受けることができる「遺伝外来」を受診するといいでしょう。
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