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教員の定年延長とは?定年延長によるメリット、問題点とは

2018.1.30

教員の定年延長措置。再任用制度となっており、1年更新で継続されるとのこと。

教員の定年が延長されることによる影響とは?教員が定年延長する際の注意点とは?教員の定年延長で学校にはどんなメリットがある?

教員の定年延長について解説します。

教員の定年が延長されることによる影響とは?

教員の定年が65歳まで延長されるとはどういうことなのでしょうか?教員にとっては大変な時代にきてしまったと驚かれるでしょう。

学校で働く教職員の年金制度は、満額支給は65歳。現在は60歳~64歳まで基礎年金部分を除いた共済年金が支給されています。ただその共済年金も、2013年以降段階的に支給開始年齢が引き上げれているのが現状です。
今現在49歳からは、65歳定年になってしまうというのです。

公務員の無年金期間を無くすために、退職時期も同時に引き上げられているということになるのです。そうでなければ、退職後5年間の生活の目途が立たなくなります。

また、退職金は55歳時の給与に対して反映するため、50代の給与も一律抑える方針を打ち出しています。
65歳まで働けるとしても、そこまで健康で本当に働けるかの不安も付きまといます。それが理由なのか、年間1万2千人を超える早期退職者もいます。体力面で心配になるとすれば、行きつく先は、特別支援学校か管理職になります。60代で第一線で働くのはそれくらい大変なことなのです。

教員が定年延長する際の注意点とは?

■1年更新であることを覚悟する

65歳までの雇用が必ず約束されているわけじゃないのが、この教員の定年延長措置である再任用制度なのです。
一般企業に60歳から雇用されれば、65歳まで働きある程度安定した収入を得ることができるかもしれませんが、教員の定年延長は違います。1年更新となっていることを覚えておきましょう。

1年更新ということは、長くは働けないかもしれないということです。申し込み後の1年は教員として働けたとしても、その後の1年で結局働けないという可能性も出てくるのです。教員として働く苦労も出てくるので、定年延長を希望する場合は、そういった可能性があるということに注意しなければなりません。

定年延長するから定年後も安心と思っていてはいけません。
定年延長措置を希望していても、いざその時になって却下されることもあります。教員の数が多い学校は特に注意しましょう。

定年延長があるからと老後を甘く見ていてはいけないということです。

教員の定年延長で学校にはどんなメリットがある?

教員の定年延長によってベテラン教員が第一線で働く可能性もでてきました。
教員の定年延長で学校にはどんなメリットがあるのでしょうか。

1つに若い教員の育成があります。
今の学校問題の1つに、若い教員の育成問題があります。
約20年前は新卒採用の教員が1校に1人程度だったのが、今では半数以上が新卒教員という学校も珍しくありません。若い教員を学校全体で育てるのが困難な状況になっているのです。
その結果、学年主任をまだ経験が浅い30代の教員が担ったり、採用数年でもう運動会の責任者を任されたりするのです。任されたことで力を付けていく教員も確かにいますが、一方で、先輩教員に相談できず、若手だけで問題を解決しようとして失敗してしまうことも増えています。
責任を任された若手教員の方も、「十分な経験がまだないのに、今の立場になってしまい不安だ」と感じているのです。

こういった問題は、学校だけでなく民間企業でも起きています。
若い世代に知識や経験を伝える重要な役割をもった世代が少ないのは、学校だけでなく企業を維持していく面からも無視できない問題になっています。

定年延長によって、その問題点にも明るい兆しが見えてくるかもしれません。

大学教員の定年延長について

関西大学は、今まで65歳の定年に達した教授に対し、最長で5年間の定年延長を認めていました。それを2年間で打ち切ることにしたのです。
68歳以降も70歳までは1年更新で再雇用できるとしていますが、給与を20~50%もカットするとのこと。その減額した分をどうするのかが気になりますが、減額分は新たに採用する若手教員らの人件費に充てるとしているのです。教員を増やし、更なる教育や研究の向上を目指すと打ち出したのです。

定年延長するには、学部教授会で1年ごとに審査されなければなりません。それでも定年になった教授のほとんどが、65歳時の給与のまま70歳まで残ったということです。

新制度は定年延長を2年に短縮したため、延長は67歳までです。
その後は「特別契約教授」として雇用されますが、給与はかなり削減されます。68歳で65歳時の80%、69歳~70歳で50%も削減されるとのことです。

定年延長で再雇用しても、給与はかなり削減されるため、その分大学の財源は確保されます。大学側はその財源で教員を増やす方針を掲げています。

他の私立大の教授の定年についてですが、同志社大が65歳。大学院担当者は5年間の定年延長が可能だとのこと。立命館大と慶応大は65歳、関西学院大は68歳で定年延長はないそうです。

教員の定年後の人生について

教員が60歳で定年になった場合、その後65歳で年金をもらうまでの期間は収入がありません。5年間何不自由なく暮らせるくらいの貯えがあれば別ですが、その5年間の収入ブランクは大きいものです。

しかし、定年後はしばらく行政の期間に勤めるという人も中にはいます。在職中は、定年後の働き方についてしっかり考えている人は多いのです。

行政側からしてみると、職を与えてやっているといったという点で、教員を制御しやすいかもしれません。
傍から見れば、これって本当に必要な施設なの?と思われる公的施設も少なからずあり、そういった無駄な投資は穿った見方をすれば、定年後の職を与える目的だけの存在と見られてもおかしくはありません。本当に必要施設なら、民間企業でやるべきだという考え方もあるからです。

そういった空気を嫌い、定年を機にキッパリ仕事を辞める人もたくさんいます。
定年後は趣味に没頭したり、旅行へ出かけたり。生活費に困らなければそういったこともできます。

問題は、定年後も仕事を続けたい人です。
定年を境に社会と断絶してしまい、今まで教員として仕事ばかりしてきたせいで、浦島太郎状態になってしまうのです。
現役の教員は、定年後の人生についてしっかり考えて行かなければなりません。

この記事の編集者

意味ペディア編集部

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