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薬を飲むタイミング。食間や食前・食後の意味を正しく知ろう

2018.4.24

薬を処方されたや市販の薬を飲もうとしたとき、注意書きに「食前」や「食後」と書かれているものがほとんどです。

しかし、時折「食間」という表記を目にします。はたして食間とは、どのタイミングで飲むことをいうのでしょうか。

食間の意味と正しい薬の飲み方について調べてみました。

薬を飲むタイミング。食前、食間、食後それぞれの意味

【食前】

食前とは、食事の20~30分前のこと。食べた物や胃酸による影響を避ける薬や、胃の調子を整える薬は、多くが食前に飲みます。

糖尿病の薬は、食事によって上がる血糖値を下げるために食前の服用が一般的です。

【食間】

「食間」を「食事の最中」と思っている人も多いようですが「食事と食事の間」という意味でなので勘違いしないようにしてください。

食事後、2時間程度を目安に飲みます。空腹時に飲む方が効果的な薬や、胃の粘膜を保護する薬などは食間に飲みます。

【食後】

食後20~30分程度の、胃の中に食べた物がある状態で飲むため胃への刺激が抑えられます。

一番多い飲み方でしょう。食べ物と一緒に吸収される薬や、空腹時では胃への刺激が強い薬が食後に飲まれます。

食事ができなかったからと薬を飲まないと、体内の薬の濃度が低下して効果が薄まってしまいます。

クッキーやクラッカーを1枚食べるなどしてから飲みましょう。

糖尿病の薬など、空腹時に飲むと効果が出過ぎて危険な場合もあります。

漢方薬などを食間に飲む意味。胃酸の影響が少ないから

食間に飲む薬は、食後2時間頃が目安です。

「食間」と聞いて、食事を食べている途中に薬を飲んで食事を続けるとイメージしている人も少なくありません。

更に言うと、食事と食事の間だからといって、厳密に中間の時間というわけでもないのです。

食後2時間を目安に「胃の中が空っぽの状態」に近い時に飲むというイメージです。

食間に飲むことが多いのは、主に漢方薬。漢方薬は生薬で、胃酸には弱い性質があります。

食後2時間頃であれば胃が消化・吸収する働きにひと段落して落ち着いた頃。

この胃酸が少ない状態で飲むと、薬の成分が影響を受けにくく吸収されやすいのです。

ちなみに、胃酸の分泌には体の3つの部分が大きく関わります。

1つ目は脳。食事の時間が近づくと、食べ物のことを考えることで食欲を刺激し、胃酸が分泌されるのです。

2つ目は舌。口に食べ物を入れたときに感じる味の刺激が胃酸を分泌させます。

そして3つ目は胃。食べた物が胃に入ったことで胃が刺激され、胃酸を分泌するのです。

薬を飲むタイミングの意味。食間、食後…理解していますか?

食前に飲む薬の場合、具体的には「食事の30分前」を想定しています。

食事を開始する場面で、すでに薬の効果が出始めている状態にするためです。胃の活動を活発にする効果がある薬などは、この食前に飲むのが効果的です。

また、ノロウイルスなどによる吐き気止めも食前に飲むことになります。

一般的に、薬を飲む場合一番多いのは「食後」だと思います。概ね「食後30分」ということは知っていても、それが「食後30分以内」なのか「食後30以後」なのか理解しているでしょうか。

「食後」に飲む薬の場合、そのほとんどが「食後30分以内」です。

今度、処方される薬をもらう機会があったら薬剤師に確認してみるといいでしょう。

ちょっとめんどくさいな、という顔をされる可能性もありますが、薬のことですからはっきりさせておいてもいいのかも。

食間に薬を飲むのは胃酸の働きとも関係している

食前や食間の空っぽの胃の中は、酸性の状態です。漢方薬など一部の薬は、この酸性の状態で飲むことで薬の有効成分が効率的に体に吸収されるのです。

食事による影響が大きく、食後では充分に吸収されない場合もあります。

そのような薬は、食前や食間に飲むように指示されるのです。

空腹感を感じ始め食事のことを考える頃に、胃の中で胃酸の分泌は上昇を始めています。
食事が始まったら、すぐに消化しようと待ち構えている状態です。

私たちの消化や吸収に必要な胃酸ですが、実はとても強力な酸です。そのため、胃酸が出過ぎると自ら胃壁を攻撃して傷めてしまうのです。

そんな状態を放置すると胃の粘膜を傷め、胃潰瘍などの病気に繋がってしまいます。

胃酸から胃を守るための薬では、胃酸に攻撃されやすい空腹時に薬を飲む必要があり、それが食間だということなのです。

薬の用法や用量にはきちんとした意味がある。素人判断はNG

食前や食間などのほかに「就寝前」と指示される薬もあります。

多くの薬が食事や消化の状態を考慮しているのに対し、就寝前とされた薬には胃の状態とは無関係です。

床につく、つまり就寝の前20~30分程度に薬を飲みましょう。

「就寝前」と指示される薬には、翌朝の通便を期待する場合の下剤や、夜に発作を起こす症状を抑える薬、睡眠を補助する薬などがあります。

薬には必ず「用法・用量をきちんと守ってください」という一文があるかと思います。

定められた量や回数、飲み方で飲む事は薬の効果にも関係してきます。

量を多く飲んだり、間隔をあけずに飲むと効き過ぎになることがあり、逆に少なかったり、間隔をあけすぎると充分に効果が発揮できないことがあります。

薬によっても、かなり厳密に飲むタイミングを守るひつようがあるものもありますので、飲み忘れた場合にどうするかは、あらかじめ医師や薬剤師に相談しておくと良いでしょう。

けして素人判断で薬を増減したり、勝手にやめたりしないようにしましょう。

この記事の編集者

意味ペディア編集部

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