田舎から若者が出ていく理由・・・そこから見える現実とは
2018.6.23
田舎で生まれ育ったものの、そのまま同じ場所でずっと暮らしている人は少ないのではないでしょうか?
なぜ若者は田舎から都会へ行ってしまうのでしょうか?大学がないから?就職する会社がないから?本当にそれだけなのでしょうか?
少子高齢化が進む現代の日本・・・田舎から若者が出ていく理由について真剣に考えてみませんか?
この記事の目次
大学がない田舎から若者が出ていく理由とは?
田舎から若者が出て行く理由は主に3つあります。
●地域の人と繋がる機会がなかった
同世代で活躍している方はたくさんいますが、若者は一旦地元を離れてしまうと、そういった方々との繋がる機会が薄れます。繋がりがない若者が地元で何かを行おうと思っても、仲間かがいないのでなかなか実行に移せないのです。
●地域の良さを理解する機会がなかった
地元にいるときはわからかったことが、外に出て初めてその良さに気付くこともあります。ただ気付いたときは外にいて、地元の良さを理解する機会がないため、自分が地元に帰ってもいいのかどうかすら分からなくなってしまうのです。
●未来を作る方法を学ばなかった
地元に対して何かしたいという願望があっても、実際にどうすればいいのかが分からないのです。
上記の3つの問題を抱える若者は多く、田舎から出て行かないためには、高校生のうちからこの悩みを解決するしか方法はないのです。
田舎からなぜ若者が出ていくのか?~ある田舎出身者が思うこと~
あなたの地元にはどのくらいの同級生が残っていますか?
おそらく高校の同級生でもそれほど地元に残っていないのではないでしょうか。
高校を卒業すると、まず進学で約7割の若者が地元から消えます。
その理由は「進学したい学校がないから」です。
田舎に大学はもちろん専門学校すらないとなると、進学=県外は当たり前になってしまいます。過疎地の若者は高校を卒業すると進学のために都会へ出てしまうのです。
しかし都会に触れて現実を知ることになります。
夢にまで見た都会に降り立った瞬間から、田舎から出てきた若者たちは皆カルチャーショックを受けてしまうのです。
今までブラウン管の中からしか見えなかった情報が、今へ平然と目の前に鎮座する。これはとてもショッキングなのです。
コンビにが24時間開いている!?
数分おきに電車が走っている!
若い人が多い!
チャンネルが多い!
家賃が高い!
車線変更ができず目的地につかない!
・・・といった荒波に直面するのです。
そしてそれをくぐり抜けた若者は、最初の夏休みあたりで髪を染めて帰省するというわけです。
若者は田舎から出ていくべきだという意見も
田舎に移住だ!地方創生だ!と叫ばれている昨今、ただそういったブームはいつまでも続くわけがなく、若者はとっくに都会へ出てしまっています。いや、若者は田舎から出て都会へ行くべきなのです。
田舎に憧れる若者は実際どのくらいいるのでしょうか。
以前は若者と言われていた世代も、完全にアラフォー。中年が田舎に食い詰めてたまってしまったせいで、20代の若者は活躍しようにも出る幕がないのです。
田舎って言うくらいですから人がいないのは一目瞭然です。
ニーズは確かにないわけではありませんが、需要ははたしてどのくらいあるのかは疑問が残るところです。
人がいない田舎の経済的に何が一番いいのか、それは「競争相手がいない」ことでしかありません。
ただ競争相手がいないと多くの人がたくさん集まってしまうと、それに見合う市場や需要が少ないため、一番住みにくい田舎へと変貌してしまうのです。
小さな若者も誰もいないようなまちで、自分ひとりだけカフェや雑貨屋さんを立ち上げたならいいですが、そこにもう一人同じ職業の人が現れたら、それはもう競争になってしまうわけです。
人間関係とかしがらみとかがない場所を求めるなら、都会に行くべきなのです。
田舎から出て行ったけど、そこに待っていた現実は・・・
地元から出て都会に移住しました。
なぜ故郷を出たのか、それはもっと広い世界をみたいと思ったからです。
当然家族もいませんし、友達や知り合いもいない、見知らぬ土地で暮らすのは当然怖いです。でも怖さよりも楽しみだったのです。
大きくなったら誰も知らない街で暮らしたい、今考えると物心付いたときからそんな感覚があったのかもしれません。
地元はもちろん居心地はいいのですが、元彼と元カノのお母さん同士が知り合い、友達のお兄さんと自分の兄が同級生ということもよくあることで、当時の私はそういった環境にウンザリしていたのです。
田舎という世間の狭さに辟易していたのです。
人がたくさんいる都会なら、いちいち干渉されることなく過ごせるかもしれない、新しい自分になれるかもしれない、そう思って地元を出たのです。
でも現実は甘いものではなかったです。
全くと言っていいほど何も変わらなかったのです。
毎日楽しみもなく、何もときめかない毎日をただ過ごすだけの日々。
都会には楽しいことがたくさんあると信じていたけど、選択する自分の質が変わらなければ、何も変わらないとようやく気付いたのです。
そう気付いてしまった今は、地元に帰りたくて仕方がありません。
若者が田舎から出ていくのは「親のため」?
地域づくりの活動が活発に行われている村はたくさんあります。
ある県の限界集落は、都会から訪ねてくる若者には、空き家を提供するからこちらに来てはどうだろうかとさかんに勧める活動を行っているそうです。
都会から若者を呼び込もうと活動している反面、昔から家業を営んでいる家庭は、帰ってくることに反対しているといいます。
「大学をせっかく出たのに地元に戻って家業を継ぐなんて・・・。都会でちゃんとした仕事をしてほしい」と思ってしまうのです。
ただし決めるのは子ども自身です。
どうしてもやりたい!とその反対を押し切って村に帰ってくる若者もいるのです。
同じような話は日本だけでなく、海外でもあります。
中国東北部の農村で調査を行ったところ、子供は必ず都会に出す家庭が多いといいます。農作物と少しの出稼ぎで安定した暮らしが営まれているにもかかわらずです。
親は「都会に出て社会に役立つ人になってほしい」と願っているのです。
若者が田舎から出て帰ってこないのは、もしかすると親たちの期待に応えようとしているからなのかもしれません。
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