念書を書いたらその効力や期間は?その疑問について!
2018.5.22
念書を会社で書く事ありますか?その効力や期間はどのような物なのか気になりますよね。
また念書を書くときに必要な事項はあるのか?決まった書式があるのかどうかも確認したい所です。
念書の法的効力についてや、念書よりも効力を発揮する契約書についてもご紹介いたします。
インターネットで念書のフォーマットを探す事もできますので、参考にして見るのもいいですね。
この記事の目次
念書の効力や期間は?まずは念書とはどういうものなのか
契約書の一種「念書」。
約束事を文書にした書類のことで、当事者のうちどちらかが相手に対して示すものです。
通常の契約書は当事者同士が合意した内容を書面にし、それを2通作ってお互い署名・捺印します。当事者双方が同じ内容の書面を保有することになります。
これに対して念書は、1枚のみ作り、差し出す側のみが署名・捺印をし、保有するのも一方のみです。
ビジネスでの念書は約束事について「どのような件で」「どのような条件で」と言ったように約束したものを文書化したものになります。
契約書ほどの法的効力はありませんが、トラブルが起こった時の証拠となります。
念書には決まった書式がありませんので、自由に作成することができるのもメリットの一つ。企業によってはあらゆるトラブルに対応した念書のフォーマットを用意しているところもあります。
退職する従業員に対して情報漏洩をしない約束をするもの、ミスをした時に書かせるものなどがあります。
念書の効力や期間は?強制的に対処をする事は無理?
念書は当事者同士の約束を明確にし、証拠として残すものです。
約束を守らなかったとしても、法的効力はなく、強制的に対処することはできません。
念書の内容が法律違反の場合でも、その効力はなく何の意味も持ちません。
もし念書で交わした内容について裁判になるようなことがあれば、証拠として機能する可能性はありますので、その場合は法的な意味合いを持つことになるとは思います。
裁判結果が念書によって影響を与えることだってあるのです。
ただ念書は契約書とは違います。
一方的な性質を持っている念書であるため、念書だけを元に裁判を起こすのは大変難しいでしょう。
契約に念書を付けて作成することもありますが、これも正しい内容でなければかえってトラブルを招いてしまう要因にもなります。
念書がマイナスになってしまうといったケースも実際多いので、契約内容との違いを指摘されないよう、慎重に正しく作成することが大切です。
念書の書き方、効力や期間が不安な場合は公正証書を!
念書は実際には法的に効力がないとお解りいただけたと思います。
ただ法的に効力はないとしても、離婚調停や裁判になった際に証拠となることはあります。
念書に決まりはありませんので、基本を押さえておけば自分でも書くことができます。
念書を書く際に重要なポイント。
「いつ・誰が・どこで・何を・どれだけ・どのようにしたか」をしっかり記入することです。
これが念書を書く上での基本であり、これを抑えておかないと証拠として認められない可能性もあります。
会社の書類の基本ともなっている、「5W1H」を忘れずに!
もう一つ重要なのが「日付」と「署名・捺印」です。
これを忘れてしまうとせっかくの念書もただの紙切れにしかすぎません。
確実なものにしたいのであれば、実印と印鑑証明を添えるといいでしょう。
日付も正しく「平成〇年〇月〇日」と記入します。
念書の場合は自分側の1通のみで問題ないので、しっかり保管しておきましょう。
念書よりもさらに法的な効力を発揮するものがあります。それは「公正証書」です。
念書よりもっと法的効力がある文書が欲しい場合は、公証役場などに相談して公正証書を作成するといいでしょう。
契約書、念書、覚書の違いを知っていますか?
契約書と念書についてはどういった書類かある程度分かったとは思います。
契約書は当事者一方の申し出に他方が承諾することによって成立する「法律行為」のことを言います。
2つ以上の意思表示が合意した事実を証明する目的で作成されているものです。当事者それぞれが同一のものを保有します。
対して念書は、書面を一方的に作ることができます。保有も片方のみ。署名や捺印も当事者のものしかありません。
法的効力は薄れますが、トラブルが生じた時の証拠としては利用価値があります。金銭の借主が貸主に対して差し入れる書類も念書といえます。
「覚書」という書類もあります。
これは契約書を作成する前に段階で、当事者双方の合意事項を書面にしたものです。既にある契約書に細くした場合の文書も覚書にあたります。
ただしタイトルが覚書でも、内容が契約の基本となっている場合は覚書ではなく契約書とみなされます。
念書の効力や期間が気になる時は弁護士に相談するのが一番!
念書を一度作るといったいどのくらいの期間効力があるのか、その期限についても気になるところ。
例えば、期間や期限などは記入せず、作成年月日だけ記入した場合、その念書は有効なのでしょうか。
結論から言えば、日付があろうとなかろうと、その念書の有効性は裁判では低いので、双方が納得しているのであれば、念書ではなく公正証書にしておく方が安心です。
裁判でよく争われるのが、無理に念書を書かされたから撤回してほしいということ。証拠がそれしかない場合は、訴えても成立しない可能性もあります。
念書という言葉は法律にないのです。
内容によりますので一概には判断できない部分もありますので、まずは弁護士や司法書士に相談するといいでしょう。
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