お風呂に入らない民族は「世界一美しい民族」でもあった!
2018.2.9
お風呂に入らない…と聞くと、日本人なら「えっ?」と思ってしまいますよね。
しかし、世界にはお風呂の習慣がないどころか、一生体を洗わない民族がいるのです。
水やお湯を使わなくても体を清潔に保てる秘密と、その理由などをご紹介しましょう。
この記事の目次
お風呂に入らないけれど「世界一美しい民族」とは?
ヒンバ族の総人口は2万~5万人ほど。電気などは使用しない自然の暮らしをしています。
牛やヤギと飼育しながら共に生活するヒンバ族。彼らは「世界で一番美しい民族」とも呼ばれています。
女性は全身に赤土を塗って布の腰巻姿。ドレッドに似た髪型が一般的です。
その髪も赤土が塗られ、カチカチに固められた状態。
男性は赤土は塗らず服を着用して、全く違う髪型をしています。
女性たちが塗る赤土は、オーカという酸化鉄を多量に含んだ岩石を細かく砕いたものとバターを混ぜて作られています。
これは日焼け止めや虫よけとしての効果があるのです。
彼らの生活で一番驚くのは、一生に一度も体を洗わないということ。
体に塗りつけたオーカは、いちいち洗い流さずにどんどん塗り重ねていくのです。
体を洗わずにいられるなんて、臭いに対して鈍感なのでしょうか?
いいえ、彼女たちはとてもきれい好き。夜になると香草の煙を焚き染め体に臭いを付けるのだそうです。
お風呂入らない民族・ヒンバも文明の波の中に消えようとしている
赤褐色の美しい肌と独自の色彩をあしらった装で独特の美しさを持つ女性たち。
そんなヒンバ族はナミビアの北部に暮らしています。
ナプウォという町では、すぐにその姿を見ることができました。
ガソリンスタンドや観光客向けの宿泊所などが立ち並ぶ街中を歩くヒンバ族の女性たち。
姿は独創的ですが、スーパーなどでは当たり前に買い物をしている姿も見かけます。
個性的なヒンバ族の人たちも、私たちと似たような日常を送っている光景には不可思議なギャップも感じられます。
少数民族や文明の波が遅れて到達した地域の人々は、今徐々にその波に飲み込まれつつあります。
すでに伝統的な暮らしは、失われ始めているのでしょう。
あと10年、20年もしたら世界から美しいと言わしめた独特の文化も、失われ崩れ去ってしまう可能性が高いのです。
よくある話…というだけで括りたくない、残念な想いがします。
意外と多い?お風呂入らない民族の病気感染対策は?
アフリカのヒンバ族は、お風呂に入らないことで有名ですが、もし日本でそんなことをしたらどうなってしまうでしょう。
日本の気候は温暖で湿度が高いのが特徴。お風呂に入って体を清潔に保たなければ、ダニやシラミなどの体表に寄生する虫たちの恰好の餌食になってしまうでしょう。
それらの寄生虫の危険なところは、感染性の病気を媒介すること。
水虫やカビ類による皮膚病などが広く伝染してしまう可能性が高くなります。
世界的には、入浴という習慣がない地域は意外と多いのですが、そういったところでは入浴に替わる病気や感染の防護対策が取られています。
海で泳いだり潜ったりする・土や泥を利用するといったことの他、極地では病気を媒介する細菌やウイルスがほとんど存在しない例もあります。
日本で昔から入浴という方法が定着しているのは、気候や風土に合っていたということなのでしょうね。
お風呂入らないとされる民族・ヒンバ族の実態と特徴
アフリカ、ナミビア北部・クネネ州に暮らすヒンバ族は人口・2万~5万人。
牛のフンを利用した家に、牛やヤギと共に暮らしています。
働くのはもっぱら女性の仕事で、男性たちは政治担当なのだそう。
女性たちは全身、髪の毛にまで赤土を塗り腰巻姿。一方男性は赤土は塗らず、服を着ています。
体に塗っている赤土は、オーカと呼ばれる岩石を砕き、牛の乳から作ったバターを混ぜ込んだもの。
オーカには酸化鉄が多く含まれるため赤い色をしています。
これを塗ることで、非常に強い日差しから肌を守ったり、伝染病を媒介する可能性がある虫などを寄り付かなくする防虫効果があるのです。
しかし、そんな土を塗っていたらお風呂がすぐにドロドロになりそう。
でも大丈夫。ヒンバの人々はお風呂に入りません。お風呂どころか、水を使って体を洗うことをしないのです。
仕事を終えた夜には、香木の粉末を体に塗って、さらに香木を炊くことで良い香りを体に染み込ませるのです。
平安時代の日本でも、あまりマメにお風呂に入れない分、こうしてお香を利用していたことがありますが、それに似ています。
「世界一美しい民族」はお風呂に入らなくても臭くなかった?
ヒンバの女性たちはアクセサリーにもこだわりがあります。
普段は手にすることができない貝殻のアクセサリーなどは、マーケットで入手したりするのだそうです。
たくさんのアクセサリーをつけ、多い場合は総重量が何キロにもなるんだとか。どの世界でも女性はおしゃれに全力です。
衣服は腰巻だけですが、牛革を使ったものはエチオピアの民族とも共通しています。
成人すると髪の毛も赤土で固めるようになり、固めた髪はゴムのような弾力で地毛だけでなく黒い付け毛を使うこともあります。
日焼け止めや乾燥防止、肌の衛生などのために、赤土と牛の脂肪を混ぜたものを体中に塗ります。
そのためヒンバ族は一生お風呂にはいらないのです。
毎晩、香木の煙をまとうなど臭い対策もしているとのことですが、実際にヒンバ族に出会った人によると、体臭などは全然気にならないのだそう。
水やお湯を使わなくても、伝統的な方法は確かに清潔を保っていたようです。
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