プラスチックが劣化すると発生する独特のにおいの原因とは
2018.2.12
時間が経って劣化したプラスチックがイヤにおいを発するのはご存知ですか?
無機物のはずのプラスチック製品から、なぜワキガのような匂いがするの?
プラスチックの性質と、臭いを発するメカニズムについて調べました。
この記事の目次
プラスチックが劣化すると嫌なにおいが発生します
劣化してしまったプラスチックは、どうして嫌な臭いがするのでしょうか。
屋外に野ざらしにされたプラスチックが、ワキガのような臭いを発していることがあります。これはどうしてなのでしょうか。
プラスチックは光や紫外線に弱いため、長期間日光のあたる場所に放置されたりすると、たとえ室内でも樹脂の分子が切れてしまいます。
その結果、ツルツルのはずのプラスチックの表面に細かいヒビやキズが入ってしまいます。
日々からさらに酸化が進み、一部はカルボン酸という物質に変化します。
このカルボン酸こそが、あの嫌な臭いの正体なのです。
この臭いは洗っても臭いを落とすことはできず、我慢するか買い替えるなどして交換するしかありません。
どんなに大切に使っていても、時間とともに劣化はあります。
それでも、直射日光を避ければ劣化スピードは、かなり遅らせることができます。
長く大切にしたいものは太陽に光が当たらない場所で保管しましょう。
プラスチックが劣化してできた亀裂から嫌なにおいが!
1人で自分の部屋にいたら、ふいにワキガのような臭いが……!
自分が臭い?と思わずセルフチェック。でも、多分臭くないはず。
そんな謎の現象、実はプラスチックが発している臭いかもしれません。
日当たりの良い場所に置かれたプラスチック製品からワキガ臭? なぞですよね。
プラスチックは、長期に渡り陽光に晒されると樹脂の分子が破壊されてしまいます。
放置していたプラスチック製品が、久し振りにみたら細かい傷がびっしり。どうしてだろうと疑問に思ったこと、ありませんか?
それが太陽の光や紫外線によって、プラスチックの樹脂が破壊されたということ。
その時に、ひびになった部分に酸素が加わることで、カルボン酸になったことでワキガのような臭いを発するようになるのです。
日用製品の中にはプラスチック製のものが溢れていますので、くれぐれも長い時間太陽光には当てないようにご注意ください。
プラスチックが劣化した嫌なにおいへの対策は?
まずはプラスチック製品を劣化させないのが一番!
太陽の光を浴びるプラスチック製品といえば、なんと言っても洗濯ばさみでしょう。
紫外線に当てるとどんどん劣化してしまいますから、洗濯物は乾いたらすぐに取り込んで、強烈な日光に長時間さらさないようにします。
曇りの日でも紫外線は存在しています。曇りの日でも洗濯物はいつまでも外に干し続けない方が良いでしょう。
洗濯ばさみにいちいち神経を配っていられない!と思う忙しいあなたには、アルミ製やステンレス製の洗濯ばさみをお勧め。
価格はプラスチック製のものより多少割高ではありますが、丈夫で長持ちします。
一見、プラスチック製に見えても、ポリカーボネイト製のものは、比較的紫外線にも強いと言われていますので、一度お試しあれ。
においの原因はプラスチックの劣化?それとも雑菌?
室内で使用する場合には、あまり問題ないのですが、屋外で使うと風雨にさらされる厳しい環境。
汚れもつきやすいので、雑菌が繁殖しやすい状態です。
もしかしたら、その雑菌が臭いの原因かもしれません。また、菌ではなともプラスチックの製造過程で使われる安定化剤が浸み出してきたことも考えられます。
安定化剤は、その安全性にも疑問があります。
以前はポリエチレンなどでも使われていましたが、発がん性がみとめられるとして現在は国内の製造では使用していません。
雑菌が原因であれば、不快ではあるものの健康への影響などは問題ありません。
ちなみに、人工化学物質を使うのは危険で、天然の化学物質なら安全。……と、思いがちですが、必ずしもそうとは言い切れません。
薬品の多くは天然の物から作られていますが、副作用はあります。
人工のものは危険、天然なら安全という思い込みは捨てた方が良い時期に来ているのかもしれませんね。
プラスチックは新品でも劣化しても、それぞれ独特のにおいが
プラスチック製品は新品の時にも独特の臭いがします。
これには、多くの要因が考えられるのですが、高分子に使用されている安定剤が関係しているのです。
太陽に晒されたポリエチレンが劣化して、触るとボロボロと崩れてしまった経験はないでしょうか。
「加水分解」といい、空気中の湿気と温度によって劣化し、最後には触れなくでも崩れてしまいます。
そんな状態になるのを敷設のが紫外線劣化防止剤、酸化防止剤と呼ばれるものです。
そのものはさほど強い臭いはありませんが、加工過程で高温になると一部が分解されて、強いにおいを発する低分子化合物が作られる可能性があるのです。
高分子を作る際の触媒も加工過程でにおいの原因になるかのうせいもあります。
安全性を考えて、ビタミンEを使う方法が検討されていますが、この方法だと製品の色が黄色っぽくなってしまうので、あまり積極的に使われることは無いかもしれません。
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