クレマチスを挿し木で増やす方法。使う土や挿し木の方法について
2018.6.12
クレマチスはツルを伸ばし成長するつる性植物で、旬の時期になるととても美しい花を咲かせます。そしてとても種類が豊富でその種類によって育て方や花の開花時期にも違いがあることが特徴です。
育てているクレマチスに花を咲かせたいのなら、そのクレマチスに合った育て方を知らなければいけませんね。
またクレマチスは挿し木で増やすこともできます。土を変えたり肥料を与えるタイミングなど、クレマチスの育て方についてご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
クレマチスの挿し木は土に植えるだけ!挿し木の目的とは?
クレマチスは庭植えでも数年で根が張りすぎ、過湿によって蒸されてしまい枯れてしまいます。
ヨーロッパの気候では数十年も育つ場合がありますが、日本は湿度が高いためそのままで長い間生育することは難しいのです。
長くクレマチスを楽しむためには、挿し木や取り木で新しい株にする必要があります。
挿し木よりも取り木のほうが簡単ですが、挿し木は大量に増やすことができるというメリットがあります。
クレマチスは季節になると園芸点やホームセンターの園芸コーナーに並ぶ手ごろな植物です。
無理して更新するよりも、新しい鉢を買ったほうがいいこともあります。
また、鉢植えの場合も10尺以上に育ったものは植え替えも大変なので、挿し木や取り木で新しい株から楽しむのもひとつの方法です。
【準備】
◆挿し床
◆育苗箱…深さ8cm~10cm。ホームセンターや園芸店で購入可能。
◆育苗箱を入れる容器…育苗箱の底には穴が空いており育苗箱自体を入れる大きな容器が必要です。
育苗箱はこの器に入れて水を補給するため、水がためられるものを用意します。
◆用土
底部分には大粒の鹿沼土。その上には小粒の赤玉土。そして、その上にパーライトを使用します。
◆カミソリまたはナイフ
ハサミは切れ味の良いものでも茎を潰すおそれがあるのでカミソリやナイフを使います。
クレマチスの挿し木について。土で増やしてみよう
クレマチスは挿し木で簡単に増やすことができる植物です。
花が終わった後に行う剪定で余分なつるを切り落としたら、たくさんの差し穂を作ることも可能です。
挿し木を行うのに適した季節は5~8月。今年伸びた新しい枝を選び、2節単位で切り取って差し穂にします。
つるの先や古い枝は発根率が良くないので避けましょう。
使う差し穂は1節目の葉を落としてから1時間ほど水あげします。そのあとバーミキュライトやパーライトなどの用土に挿してたっぷりと水を与えましょう。
挿し穂の切り口には発根促進剤を使っておくと効果的です
挿し木にしたら水を切らさないよう注意して、1週間程度は明るい日陰に置きます。
倒れたり、浮くようであれば赤玉土を植えに加えて軽く手で押し付けておきます。
1ヶ月ほど経ったら1000倍程度にうすめた液肥を水代わりに与え、順調ならこの頃には根が生えてくるでしょう。
クレマチスの育て方とは?挿し木は土以外の方法もある!
2年ほど経つと鉢の中は根が込み合い、植え替えの時期を迎えます。
2年に1回が植え替えの目安です。
葉が落ちた休眠期(12~3月)に行うのが一般的で、生育期間は植え傷みが激しいのでできれば避けたいところです。
挿し木以外にも、株分けや取り木、接ぎ木といったさまざまな方法で殖やすことができます。
株分けや接ぎ木なら2月、取り木なら5~8月が適期です。
接ぎ木をする場合は、丈夫で生育が旺盛な木を選び台木にします。
挿し木は生育期間中に行います。新しいつるをパーライトなどにさすと、通常2~3週間ほどで発根します。
クレマチスは丈夫ですが、乾燥を嫌います。
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。特に夏場は水切れを起こしやすく、一度水切れを起こすと、その後の生育が悪くなってしまいます。
クレマチスの栽培で気をつけたいこととは?
クレマチスは比較的丈夫で育てやすい植物ですが、夏場の乾燥時期は「うどんこ病」に注意が必要です。
うどんこ病になると、葉や茎に粉をまぶしたような白い斑点が現れます。早く気づけば病気の箇所を切り落として炭素カリウムが主成分の薬剤で駆除します。
ある程度症状が進んでしまうと、回復は不可能で処分するしかなくなってしまいます。
また、新芽やつるにはアブラムシやナメクジといった害虫も発生しやすい傾向があります。
アブラムシ春から秋、ナメクジは湿度の高い初夏に多く見られます。どちらもクレマチスが枯れる原因になるので、みつけたらすぐに専用の殺虫剤を使って駆除しましょう。
そのほか、つる性の植物は放置すると四方につるが延びて収集がつかなくなってしまいます。
バランスが悪くなるだけでなく、均等に日光があたらないことで病害虫の発生を増やしてしまう可能性も。
支柱やフェンスにつるを絡ませる「誘引(ゆういん)」を行って元気な株に育てましょう。
クレマチスとはどんな花?名前の由来について
クレマチスはつる性植物で大きな花を咲かせます。
実はこの花は、花びらではなく「がく」という葉の部分が変化したものなのです。
原産は北半球の温帯、南半球ではニュージーランドなどで、世界中で約300種の原種があります。
日本にあるものはハンショウズル、カザグルマ、クサボタンなどの25種ほどが自生しています。
クレマチスという名前は「つる」を意味する「klema」が語源と言われています。
主にイギリスで品種改良が進み、今ではその園芸種は2,000種以上とも言われています。
実は、その品種改良の元となったのが日本の「カザグルマ」や中国の「テッセン」。
これらの園芸品種は江戸時代にはすでにいくつかが作られ、19世紀になるとヨーロッパにも伝わりました。
それがさらに時代を経て明治時代に「クレマチス」として日本に輸入されるようになったのです。
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